RC 直列回路の微分方程式 (ラプラス変換)
ここでは RC 直列回路に直流電圧源をつないだときの過渡状態に関する次の微分方定式を解きます。
\[
E - RC \frac{dv_c}{dt} - v_c = 0
\]
もとの RC 直列回路については「RC 直列回路」を、 変数分離法で解く方法については「RC 直列回路の微分方程式 (変数分離法)」をみてください。
全ての項が未知関数を含むか 0 である微分方定式を斉次微分方程式、そうでない微分方定式を非斉次微分方程式といいます。 上の式は \(E\) が \(0\) でない定数項なので 非斉次微分方程式 です。
今回の式はあまり複雑ではないので、変数分離法でも面倒なく解けますが、 通常、非斉次微分方程式を解く際にはラプラス変換が有効である場合が多いです。
早速、ラプラス変換を使って計算してみましょう。
まず、みやすくするため \(v_c\) は添字をとって単に \(v\) と書きます。
\[
E - RC \frac{dv}{dt} - v = 0
\]
また \(v\) のラプラス変換を \(\mathcal{L}[v(t)] = V(s)\) または単に \(V\) と書くと、上の式をラプラス変換すると次のように書けます。
\[
\frac{E}{s} - RC \Big( sV - v(0) \Big) - V = 0
\]
ここで初期状態 \(t=0\) のときの電圧は \(0\) なので、\(v(0)=0\) ですから、次のようになります。
\[
\frac{E}{s} - RC \cdot sV - V = 0
\]
\(V\) で整理して、式を変形してきます。
\[
\begin{aligned}
V &= \frac{E}{s (sRC + 1)}\\
&= \frac{E}{RC} \cdot \frac{1}{s} \cdot \frac{1}{s + \frac{1}{RC}} \\
&= \frac{E}{RC} \cdot RC \Big( \frac{1}{s} - \frac{1}{s + \frac{1}{RC}} \Big) \\
&= E \Big( \frac{1}{s} - \frac{1}{s + \frac{1}{RC}} \Big) \\
\end{aligned}
\]
部分分数展開については、「部分分数展開」をみてください。
これをラプラス逆変換すると、直ちに次が得られます。
\[
v(t) = E ( 1 - e^{-\frac{1}{CR} t} )
\]