暗いときに LED を点灯させる ~ フォトレジスタとトランジスタの利用
ここでは「暗い場所で LED が点灯する」という仕組みを作ってみましょう。
「暗い場所」か「明るい場所」か認識するために、ここではフォトレジスタ (photoresistor) を利用します。
フォトレジスタはフォトセル (photocell) 、フォトコンダクタ (photoconductor)、LDR などとも呼ばれます。
フォトレジスタは光を受けると抵抗値が下がります。
フォトレジスタにおける抵抗値の変化を利用して、明るいときと暗いときの違いを生み出すことができます。
フォトレジスタの利用
ここで利用したのは GL5528 というフォトレジスタです。sparkfun.com での商品番号は SEN-09088 で、$1.50 で購入しました。
データシートによれば、照度と抵抗値の関係は次のようになってます。
実測値と私の部屋の明るさ(とか、感覚)から言うと、およその目安として次のような感じです。
夜の電灯を点けた部屋で 1kΩ
夜の薄暗い部屋 10kΩ
夜、電灯を付けていない暗い部屋 150kΩ 以上
昼間の部屋なら 1kΩ 以下ということで良いと思います。
フォトレジスタをどう使う?
出来上がりの回路の概要は次のようになります。
矢印付きの抵抗器がフォトレジスタを表しています。図中 R2 です。
さて、ここでトランジスタ (2N3904) がありますが、このベース・エミッタ間の電圧 (VBE) がおよそ 0.7V 以上になると、 ベースに電流が流れ、コレクタ・エミッタ間の電流 (ICE) が流れます。
つまり、P1 の電位が 0.7V 以上になれば ICE が流れ LED が点灯します。
さて、上述の通り今回 R2 はフォトレジスタです。明るいときの抵抗値は小さく点 P1 の電圧は低いままです。 ところが暗くなり、 R2 の抵抗値が大きくなるにつれ P1 の電圧が上昇し、ある所でトランジスタのベース・エミッタ間に電流が流れるための VBE (=約0.7V) となり IBE が流れます。と、ともに ICE も流れ初め LED が点灯する、ということになります。
ひとたび IBE が流れれば、VBE は一定の 0.7V となります。
抵抗値を決める
さて、以上を踏まえて R1 と R3 も決めていきましょう。
R3 ですが、これは LED の電流制限抵抗です。計算には 前回と比べ、 トランジスタ (2N3904) の飽和電圧は約 0.2V がある程度の違いがあるものの、ほぼ変わらず同様に 180Ω 以上として考えておきます。
R1 については、トランジスタをスイッチと考えて OFF になっている状態で、R1 と R2 の分圧だけ考えてみます。
R2 が薄暗いとき 10kΩ になるとして、そのときに P1 が 0.7V となるような R1 を求めると、分圧を考えて、 VP1 = 3[V] * 10[kΩ]/(10[kΩ] + R1) = 0.7 より、R1 = 32.9kΩ と出ます。
あとで試した所、簡単に LED が点灯して面白くなかったので、ここは何種類か抵抗値を試して結局 R1 は 47kΩ としました。
以上ですべての値が決まったので、上の回路図をブレッドボードで作ります。
動作試験を行うと次のようになります。
もう少ししっかり暗くなったときにのみ点灯させたければ、R1 の値を大きくするなどすれば OK です。