Raspberry Pi Zero W 用のキーボード・マウス無しで設定する方法
ここでは Raspberry Pi Zero W にキーボードやマウスを接続しない、いわゆるヘッドレスセットアップを行う方法を紹介します。
ちなみに Raspberry Pi Zero W の方が、需要が多いと思って表題のように「ラズパイゼロでの設定」としていますが、 Raspberry Pi 3 Model B などでも同様の設定が可能です。
次のビデオでは Raspberry Pi Zero W に SSH で接続するための設定を説明しています。
Raspberry Pi Zero W は USB タイプ A コネクタが無いので、一般的な USB キーボード・マウスを直接接続することができません。 このためキーボード・マウスを接続するなら、Bluetooth キーボード・マウスを用意する必要があります。
ここではキーボードやマウスがない場合を想定して、ネットワークを経由して他の PC から ssh で Raspberry Pi に接続できるよう構成する方法を示します。
用意するものは次の通りです。
- Raspberry Pi Zero W
- マイクロ SD カード (8GB 以上推奨)
- 5V 電源
- PC
1. マイクロ SD カードをフォーマット
マイクロ SD カードをフォーマットします。SD カード内のデータは消去されますので注意してください。
フォーマットするには SD Association の SD Memory Card Formatter が推奨されています。
2. Raspbian イメージをマイクロ SD カードに書き込む
Raspbian Jessie のイメージをダウンロードします。
Raspbian の設定を開始するだけなら LITE で OK です。 しかし、LITE では各種ツールを自分でインストールしなければいけませんので、パフォーマンス的に問題ないなら Desktop 版でも良いと思います。
zip ファイルをダウンロードして展開します。 img をマイクロ SD に書き込みます。
Windows なら Etcher や Win32 Disk Imager が使えます。
Linux (Ubuntu) では dd コマンドとか GUI ツールでは Disk Image Writer が使えます。
3. ssh ファイルを作成
マイクロ SD カードに boot パーティションが作成されますので、そのパーティションの直下に ssh という名前のファイルを作成します。
これによって ssh が有効になります。
2016年11月のリリースから、Raspbian の SSH サーバーはデフォルトで無効に設定されています。
Raspbian は起動時に BOOT パーティションで ssh という名前のファイルを探し、もしあれば SSH サーバーを有効にします。
4. ネットワークの設定
さらに boot 直下に wpa_supplicant.conf という名前のファイルを作成し、 そのファイルに接続する Wifi ネットワークの情報を記述します。
ファイルの内容は次のようにします。
network={ ssid="SSID はここに記述" psk="パスワードはここに記述" key_mgmt=WPA-PSK }
5. 上記のマイクロ SD カードで Raspberry Pi Zero W を起動
上述のように Raspbian イメージを書き込み、さらに 2 ファイル (ssh と wpa_supplicant.conf) を作成したら、 マイクロ SD カードを Raspberry Pi Zero W に挿入して電源を投入します。
これによって、Wifi に接続され ssh の接続待ちになります。OS が起動して安定するまで緑色の LED の点滅がしなくなるまで 2 分程度待つと良いと思います。
6. 他の PC から Raspberry Pi Zero W に接続
ssh で次のようにホスト名 raspberrypi.local、ユーザー名 pi で接続します。Windows なら Putty などのクライアントを使うとよいと思います。
$ ssh pi@raspberrypi.local
デフォルトのパスワードは raspberry です。
ネットワークには参加できているけど、ホスト名の解決ができず接続ができないような場合は、 原因としては次のようなことが考えられます。
そもそも、ホスト名 raspberrypi.local で接続できるのは Zeroconf が利用できる場合です。 Raspbian では avahi-daemon が起動している必要があります。起動の確認は次のコマンドでできます。
$ service avahi-daemon status
Linux クライアント側でも avahi-daemon が必要です。
クライアントが Windows の場合は、 Apple の Bonjour (Bonjour Print Services for Windows ) をインストールすることで Zeroconf が利用でき、 *.local のホスト名を解決できるようになります。
ホスト名による接続ができない場合は Angry IP Scanner 等で割当てられた IP アドレスを調べ、IP アドレスで接続すると良いでしょう。
7. 設定
上記までで Raspberry Pi Zero W 上の Raspbian に接続できるはずです。
Raspbian に接続したら、raspi-config で設定できます。
$ sudo raspi-config
以上、Raspberry Pi に ssh で接続するまでの方法を紹介しました。